エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「話って何」
「えーっと。まずは秀の治療費のこと」

「まずは」と言うことは、話したいことは一つじゃないの?と思ったけど、それ以上に「治療費」という言葉の方に、私は反応してしまった。

「もう払った?」
「全額はまだだけど」
「あ、そう。どっちにしても、俺が全額払うからさ、アキちゃんの口座、今すぐじゃなくていいから教えて。そこに金送る」
「善の好意はありがたいけど、そこまでしてもらう」
「必要ある。ってか俺がそうしたいから。協力させてほしい」
「あなたにはドナーになってもらっただけで、もう十分すぎる・・・」
「アキちゃん。頼むから俺を外そうとするのはやめろ」
「う・・・・・・わかった」

私が口座を教えなければ、善はお金を振り込めないんだし。
他の話を聞いて、もう終わりに・・・。

「言っとくけど。アキちゃんが口座教えてくれなかったら、俺は金持って、アキちゃんちに乗り込むからな」
「えぇっ!!」
「そんなビックリなリアクションしたってことは、やっぱり俺に教える気なかったんだろ」
「いやっ、そんなこと・・・・・」

うー。バレバレだったか・・・。

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