私のことだけ見てください


「…龍人くん。」



「……なんだよ」



「…私のこと、好き?」



思わず出てしまった言葉。
だんだん後悔に変わって涙が出そうだった。


「………」




あぁ、やっぱりそうだったのか。
好きで付きあえてバカみたいにはしゃいでたのは私だけだったのか…。



…ほんとバカみたいじゃん。




「…もういいよ」



精一杯声を振り絞って、熱くなった眼の奥から涙が零れないように我慢して、私は荷物を取った。

涙が零れ落ちる前にって。
急いで玄関に向かう。


…あぁ。
ほんとに私、好かれてなかったんだなあ。
好きじゃないなら好きじゃないで、付き合わなければいいのに。

怒りに似たような悲しみの塊が私の胸の中で爆発している。
パンプスを履いて、ドアノブに手を掛けた。




――ドン










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