一ノ瀬さん家の家庭事情。
あー、もう、恥ずかしい。

「すみません、うるさくて。」

優兄が言うと、ひなのさんはくすくす笑った。

「好きなんです、律君の、家族思いで優しいところ。」

まあ!

シスコンを家族思いで優しい、なんて言えるこの人は、本当に天使!?

「それに少しわかるから。あたしにも高1の妹がいるんです。」

へえ、なるほど。

あたしたちと同い年かぁ…

「愛ちゃんたちと同じ高校なんですよ。」

ええ!?

あたしたちと同じ高校の一年生ってことは、同級生!?

はあ…世間は狭いもんだ。

でもあたし、まだ他のクラスの人の顔、全然覚えてないからなぁ。

「玲、知ってる?」

飲み物を取りに行ったついでに玲にこっそり尋ねる。

あたし以上に他人に興味のない玲、まさか知ってるはず…

「うん、同じクラスだし。」

ええ!

まさかの同じクラス!

「なにちゃん!?やっぱり可愛い!?」
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