一ノ瀬さん家の家庭事情。
今のあたしのことを話していると、あっという間に家についた。

すると車が着くやいなや、家の中からりっちゃんが飛び出してきた。

「愛!心配したぞ!真はとっくに帰ってきてるのに、なかなか帰ってこないし、携帯もつながらないし…遅くなるなら連絡しろって…」

一気にまくしたてていたりっちゃんは視界に先生を捉えた。

「えっと、…どなたですか?うちの愛に何か…!?」

ちょっと、りっちゃんってば!

「律兄?なに玄関先で騒いでんの?近所迷惑考えなよ。」

そして玲もめんどくさそうに家の中から出てくる。

「あれ…なんで?」

そりゃあそうだよね、担任の先生がこんなところにいるんだもん。

「へえ、大きくなったね。君は確か、長男の律君だっけ?」

「は?」

りっちゃんは怪訝そうに顔をしかめた。

「はじめまして、神崎朔です。」

りっちゃんは神崎って苗字を聞くとすぐにぴんときたみたい。
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