HALF MOON STORY



「じゃあ、今度は愛果



左手出して」



ハルがそう言うので



私は左手を出した



ハルはジーンスの



ポケットからサイフを出すと



中から白い紙に包んだ



小さな包みを出した



そして、私の左手の甲を上にして



自分の左手の手のひらにのせた



そして、小さな包み紙から



指輪を取りだし



薬指にはめてくれた



金の細いリンクだった



星の形をしたモチーフが



何個か連なってリングに


なっている


その真ん中の大きな星の



真ん中に透明で小さな石が



ちょこんとついていた



もうすぐ七夕だっけ



私はそのリングがとても



気に入ってしまった




「予約済み」




そう言って笑った




「ありがとう」



私は泣きそうになった



「もうすぐ東京で



今回のツアーライブ



最後の公演があるんだ」



ハルが珍しく真面目に



私の手を取って話始めた



「愛果に見てもらいたいんだ」



私は素直に頷いた



ハルが抱きしめてくれた



そこへ新幹線がホームへと



入ってきた



彼の腕の中で私は呟く



なんだかくすぐったくて



笑ってくれそうなことを



呟いてみる



「シンデレラエクスプレスみたい



すごく古いけど」



何それとハルが笑った



そう、いつも笑っていてほしい



新幹線が停まったので



ハルが新幹線に乗り込もうとする



私はハルに声をかけた



「今度は私が貴方のところへ



行く、必ず」



振り返った彼が




それを聞いて笑顔になった



その笑顔を見て



私も笑顔になる



貴方の笑顔は私の幸せ



新幹線の乗車口の扉が閉まって



新幹線がホームを出ても



ずっと新幹線を見つめていた



新幹線が去って



人が減ったホーム



でも、以前のように



泣いたりしなかった



もう大丈夫



今度は必ず



私が逢いにいくから



ホームを出る階段へとむかう私



頭の中は



次の東京でのことで一杯だった






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