銀座のホステスには、秘密がある
「報道陣が諦めていなくなるのを待ちますか?」
いつもならすぐに帰る愛ちゃんもまだ残っていて、
「でも、あの人たちが諦めるでしょうか……」
他の女の子も帰らずに、営業が終わったお店の中央に集まっている。

「強行突破はどうですか?」
片付けしながら戸塚君も会話に加わっていて、
「乱闘騒ぎになるだろ」
テーブルを拭きながらゴンちゃんもこっちを気にしてる。

お店のみんなが、どうやって殿を外に出すかって考えてくれている。

「ご迷惑をおかけしてすみません。俺はこのまま出て行くんで」
殿が腰を上げようとすると、
「ダメよ。そんなことしたらいろんなこと書かれちゃうんだから」
「そうですよ。落ち着いてください」
みんなが引きとめる。

ありがとう。
みんな本当にありがとう。

「上杉様。今はあたしたちに甘えてください」

あかねママが殿の横に座ってその腕に触れる、
アタシも反対隣に座って殿の手に手を重ねた。

「殿。アタシが逃がしてあげる」
「サラ……」

そんなアタシたちを、みんなが微笑んで見てた。
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