銀座のホステスには、秘密がある
そのままメイクルームに行って髪からピンを抜くと、ハサミを手に取った。

「やめろ。そこまですることない」

その声に振り返ると、殿がメイクルームに入って来てた。

愛しい人と視線が絡む。

「殿と同じ髪の色にしてて良かった。殿も髪の色変えてなくて嬉しかった」
「サラ……」
「殿のためなら、何だってできる」
「やめてくれ」
殿の悲痛な声に、アタシも声が掠れる。

「こんなアタシでも、あなたを愛してるって言ってもいい?」
「アキラ!」

ガタンと音がしたと思ったら、殿にきつく抱きしめられていた。

「殿……」
「愛してる」

殿の熱い吐息が耳にかかる。

「アタシも……愛してる」

次の瞬間、唇が重なる。
これまでよりも激しく、全てを奪うようなキスに、自分が今どこで何をしているのか分からなくなる。

「おまえは最高の女だよ」

殿の声が鼓膜を甘く刺激する。

ありがとう、殿。

鏡に向き直ったアタシは、

ジョキ

自慢の長い髪に、ハサミをいれた。
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