銀座のホステスには、秘密がある
「改まって話とか怖いからやめてちょうだい。ゴンちゃんから言われたのが仕事の前だったら盛り上がるものも盛り上がらなかったわよ」
あかねママと銀座の街を二人で歩くのなんて何年ぶりだろ。
仕事が終わった後、こっそり二人で抜け出してきた。
あかねママのフェイクファーのショールがアタシの前で揺れている。
「ママ。どこに向かってるの?こっちなら龍太郎ママのお店?」
「違うわよ。こんな格好であの人のところになんて行ったらどんな嫌味を言われるか。あら、あかねさん、随分お気軽なお洋服ね。って絶対バカにした言い方するに決まってる」
ふんっ。ってまるで今言われたかのように怒ってるあかねママ。
「言われたことあるの?」
「ないわよ。ないけど、あの人にだけは。あの人のお店に行く時は良い物を着ていかなきゃいけないの」
そう言われてみれば、今日のあかねママは着物じゃなくてドレス姿。
「そのカッコも素敵だと思うけど……」
「気に入ってるけどね。そんなに高くないの」
「ならいいじゃない」
「よくないわよ。指輪だって安物よ。あの人のブラックオパールの指輪見たことある?あんなの値がつかないくらいの物よ。まったくどこで手に入れるのかしら」
あかねママは気が付かないだろうけど、歩く速度が早くなっている。
銀座のママたちはみんなどこかで張り合ってるのかもしれない。
「あかねママと龍太郎ママは良いライバルなんだね」
アタシと樹里みたいな……って続けようとしたら、突然ママが立ち止まった。
「やめてちょうだい。あの人はライバルなんかじゃないわよ」
あかねママの声のトーンが落ちた。
「あの人は昔、あたしを裏切ったのよ」
あかねママと銀座の街を二人で歩くのなんて何年ぶりだろ。
仕事が終わった後、こっそり二人で抜け出してきた。
あかねママのフェイクファーのショールがアタシの前で揺れている。
「ママ。どこに向かってるの?こっちなら龍太郎ママのお店?」
「違うわよ。こんな格好であの人のところになんて行ったらどんな嫌味を言われるか。あら、あかねさん、随分お気軽なお洋服ね。って絶対バカにした言い方するに決まってる」
ふんっ。ってまるで今言われたかのように怒ってるあかねママ。
「言われたことあるの?」
「ないわよ。ないけど、あの人にだけは。あの人のお店に行く時は良い物を着ていかなきゃいけないの」
そう言われてみれば、今日のあかねママは着物じゃなくてドレス姿。
「そのカッコも素敵だと思うけど……」
「気に入ってるけどね。そんなに高くないの」
「ならいいじゃない」
「よくないわよ。指輪だって安物よ。あの人のブラックオパールの指輪見たことある?あんなの値がつかないくらいの物よ。まったくどこで手に入れるのかしら」
あかねママは気が付かないだろうけど、歩く速度が早くなっている。
銀座のママたちはみんなどこかで張り合ってるのかもしれない。
「あかねママと龍太郎ママは良いライバルなんだね」
アタシと樹里みたいな……って続けようとしたら、突然ママが立ち止まった。
「やめてちょうだい。あの人はライバルなんかじゃないわよ」
あかねママの声のトーンが落ちた。
「あの人は昔、あたしを裏切ったのよ」