あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―
そんなことを言いながら朱は、秀俊が歩いている間も必死にスポーツ用店に行かないようにしていることを察していた。そして、秀俊の言動にも。
『あーちょっとバッシュ見に行きてぇから一緒に行くぞ』
『お前……本当バスケ知らねぇよなぁほら、俺が教えてやるから』
一日三回以上バスケ関係の単語を話していて、いつも眩しくて、溌剌(はつらつ)としていた秀俊は、どこに行ったのか。
チューっとタピオカを吸いやすいように普通よりも大きめのサイズのストローを吸いながら、口の端を上げて自嘲(じちょう)気味に笑う。バカだね。そんなの、秀の行動を見てれば分かることじゃない。