シークレットガール!【完】


「…お前さ、深く関わんなよ」


タオルを外して、優季の目を見ると、真剣ということがよくわかった。


「……………誰に?」


知ってる。知ってるのに聞いてしまう。


これは、あたしの悪い癖だ。


本当に直さなきゃ。


「“シキセンパイ”と“ハルルン”」


片言であたしが言うように彼らの名前を紡いだ目の前の彼。


とても彼の目は真っ直ぐで、真剣で。


いつも、そらしてしまいたくなる。


そんな彼の視線から逃げるように、目線を外して、作ったような笑みを浮かべる。


「何々心配してくれてるの?」


「………心配に決まってんだろ」


あらやだストレート。


「優季には迷惑かけないよ」


「さっき泣きつかれた」


「う゛っ…………」


だってしょうがないじゃん。


あたし、まだお母さん達のこと、割り切れてないんだから。


人前では強がって、大丈夫ですってツラ構えて、笑って。


「…誰もあたしには気づいてくれない…………」


ぽろり、零れたあたしの本音。


笑って、割り切れてないのを気付かれないようにしてるくせに。


気付いてくれない、と文句を言っている。


矛盾極まりない。


ただのワガママ。子供みたいなワガママ。


「…俺は気付いてんだろ」


俺じゃ不満か、と彼は顔をしかめた。


そんな彼を見て、少し笑みが零れた。


「優季でよかった幼馴染み」


「それ聞き飽きた」


「贅沢なヤツ」


ヘラッとした顔で言いやがって。


この贅沢モンめ。あたしがこういうのは、優季だけだよ。




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