タカラモノ~小さな恋物語~
「健吾くん、サッカー並みに大好きなものがあるんです。何だと思いますか?」
「え…ケンが大好きなもの、なんだろ、うーん…」
「アルバイトです。」
えっ…バイト?
「健吾くん、シュクレ・メゾンのことを本当に大切に思っています。よく部員と楽しそうに話しているんです。」
そうなんだ、ケン、バイトのことそんなに大事に…。
「それに飛鳥さんのことも…」
「え、私?!」
あ、そういえば、さっきお店でもそんなこと言ってたっけ?
「健吾くん、いつも、ももてぃももてぃって。仲良いんだなぁって思います。」
宇野さんは少しばかり寂しそうに笑った。
「なんか、恥ずかしいです。自分の知らないところで言われてるなんて。」
「そんなんことないですよ、私からすれば羨ましいくらいです。女の子と関わりを絶っている健吾くんが、飛鳥さんのことだけは大切に思われているんだなって。」
ケン…。
あ、まただ。
この苦しくなるような気持ち。
「飛鳥さんは……健吾くんのこと、好きですか?」
「え…」
まっすぐな宇野さんの瞳。
透き通った、吸い込まれてしまいそうな瞳だった。