タカラモノ~小さな恋物語~
すぐには言葉が出なかった。
また一口、ホワイトモカを飲む。
「好きって…。
私にとってケンは、大切な男友達で、仕事でも相棒です。それに加えて、弟的存在でもあり、バカも言い合える関係かな。」
「じゃあ、恋愛感情は無いですか?」
「え、恋愛感情?な、無いよ~!そんな今さらケンにそんな感情は…。」
私がそう言うと、宇野さんはホッとため息をするかのように息を吐いた。
「良かったぁ。ここで飛鳥さんに、恋愛感情あるって言われちゃったらどうしようかと思っていました。」
「あはは…ま、まさか…」
宇野さんの笑顔は素敵だと思った。
ケンを想う気持ちも本物。
嘘はない。
「本当に図々しいのは承知なんですけど…その、飛鳥さんにお願いがあって。」
「お願い…?」
「私の恋愛、サポートして頂けませんか?飛鳥さん、誰よりも健吾くんと仲良さそうだし、それに飛鳥さんのプッシュがあれば、健吾くんも少しは私の方にも目を向けてくれるかも、なぁーんて。」
私が宇野さんをサポート…
「お願いします!飛鳥さんが、本当に最後の砦なんです!これでダメなら、もう諦めます…。
どうか、力を私に貸してください…!!」
手を合わせ、頭を下げる宇野さん。
なんだか、まだ私の頭はこの今の現状について行っていない気がした。
それなのに私は、その場の空気に流されて「分かりました。」と気が付いたら答えていた。