タカラモノ~小さな恋物語~
「宇野も謝ってた、ごめんねって。自分のことしか見えてなかったって。
俺も酷なことかなってことは承知の上だけどさ。でも、ももてぃを巻き込んだことが、どうしても自分の中で譲れなかった。」
「……。」
「ももてぃありがとうな。でも俺、何気あの時、ももてぃが宇野と水族館行きなよって言ったときショックだったんだぞ~?」
「……。」
「ま、理由はあえて言わないけど~?あ、でさ……」
ダメ。
何にも頭に入ってこない。
ケンが何言ってるのか、何も。
外の音をまるでシャットアウトしてしまったような…そんな感じ。
ドクドクと鼓動が大きく波打つ。
手が震えた。
「ももてぃ~?」
ケンが足を止め、私を軽くゆする。
「…の……」
「え?」
「ケン、好きな人いたの…?」
ねぇ、どうしてこんなにも悲しいのだろう。
あんなに楽しかったのに。
あんなに笑ったのに。
ケンが私から視線を逸らして、まっすぐ向き直す。
そして照れたように笑った。
「うん、いるよ。」
優しい光に照らされたケンの綺麗な横顔。
今、分かってしまった……
私、ケンのことが好き。