Cry for the moon
だからこそ、今度の彼女には自分だけを見ていて欲しい。

リュウトだけじゃなく、他の誰にも彼女を取られたくない。

(彼女だけは、誰にも渡さない…。)


待ち合わせ時間の5分前。

トモキが腕時計を見て、足元に視線を落とした時、小走りに近付いてくる人影を見つけた。

「お待たせ…。」

彼女は控えめにそう言って微笑んだ。

(かっ…かわいい…。)

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