MAHOU屋
ばあさまはその児童書の作者らしかった。
らしかったというのは、チヒロにはばあさまの記憶がまったくないからだ。
ばあさまは、とうさまが学生のときに病気で亡くなっていて、その時からその部屋は封印されてしまったということだった。
チヒロもあまり、立ち寄りたくない部屋でもある。
図書室で絵本を卒業して児童書を借りる勇気が出たとき、初めて「まじょ」を手に取った。
おとなしい女の子が同い年の魔女見習いの女の子に手伝ってもらってお菓子を作る。
友達の恋を応援したり、両親が仲直りしたりするとか、そのお菓子を食べた人が笑顔になっていくお話だ。
最後のほうのページには実際にやり方が載っていて、これを見て同じように作る上級生もいるらしい。
チヒロはストーリーよりも、こちらに強く興味を引かれた。
それはレインさまのクッキー作りとそっくりだったからだ。
作る前の晩に、道具を水に沈めて<涙の元>をたらしておく。
この<涙の元>というのはおそらくデビルが教えてくれた<人工涙>のことではないかと思う。
他にも似ているところがあって(<作る前にはハーブ水で手を洗う>というところ)、もしかしたらレインさまもこの本を読んでお店をしようと思ったのかもしれないと気付いた。
そうでなかったら、封印していたばあさまの部屋をこじ開けようなんて思わなかったはずだ。
らしかったというのは、チヒロにはばあさまの記憶がまったくないからだ。
ばあさまは、とうさまが学生のときに病気で亡くなっていて、その時からその部屋は封印されてしまったということだった。
チヒロもあまり、立ち寄りたくない部屋でもある。
図書室で絵本を卒業して児童書を借りる勇気が出たとき、初めて「まじょ」を手に取った。
おとなしい女の子が同い年の魔女見習いの女の子に手伝ってもらってお菓子を作る。
友達の恋を応援したり、両親が仲直りしたりするとか、そのお菓子を食べた人が笑顔になっていくお話だ。
最後のほうのページには実際にやり方が載っていて、これを見て同じように作る上級生もいるらしい。
チヒロはストーリーよりも、こちらに強く興味を引かれた。
それはレインさまのクッキー作りとそっくりだったからだ。
作る前の晩に、道具を水に沈めて<涙の元>をたらしておく。
この<涙の元>というのはおそらくデビルが教えてくれた<人工涙>のことではないかと思う。
他にも似ているところがあって(<作る前にはハーブ水で手を洗う>というところ)、もしかしたらレインさまもこの本を読んでお店をしようと思ったのかもしれないと気付いた。
そうでなかったら、封印していたばあさまの部屋をこじ開けようなんて思わなかったはずだ。