海に咲く花〜あなたがいた記憶〜
その時景色が一瞬色を変えたように見えた。

『君にはこれからたくさんの喜びが待ってる。僕が保証しよう。だから、物騒なことは考えるな。』

「そんなこと…っ!!僕のことなんか何も知らないくせに!!喜びが待ってる!?ふざけるなっ!!!!!」

たがが外れるように、せきをきったように想いが溢れた。そんなことこの少女に言ったってどうにもならないことは分かっているはずなのに…。

『待ってるさ。なぜなら君はまだこれからの人生がある。』

少女は鋭い目で僕を見た。そして、なぜかそれが僕には寂しそうに見えた。
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