ユウウコララマハイル
文字を書き終えると、ラミネートフィルムにその台紙とクローバーを挟み込む。
肝心のラミネーターはすでにコンセントに繋いである。
これは中村が自宅でもPOPが作れるようにと購入したものだ。
しかしながら一度も活用されることがなく、クローゼットの中で眠っている。
もちろん今回も無断で再発掘したのだけれど、適度に周辺を片づけておいたので叱られることはないだろう。


機械にフィルムを通すと、綺麗にパックされて出てきた。
余分なところをカッターで切り落とし、穴あけパンチで上部に穴を開ける。
そこにリボンを通せば、栞の完成だ。


気に入ってもらえると、いいけれども。


もしかしなくても自分が作ったものは、土橋の願いを叶えることはできないと思う。
幸運は続くわけがないのだから。
ただ土橋の気持ちに寄り添う、気休め程度のものにはなっていて欲しい。


土橋から預かったかつて四葉だった栞。
それもラミネートして明日手渡そう。
そうすれば幾分か、効力が持続しているかもしれないから。

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