〈BL〉一時の幸福(しあわせ)〈短編〉
呆気なくいってしまった。

やっぱり、妄想の中より
現実の方が気持ちいい。

いった締め付けで
顕正もいったみたいだ……

「悪い、中に出しちまって」

決まり悪そうに顕正が謝った。

嬉しかった俺は
笑顔で首を左右に振った。

俺は嬉しい。

例え、子供が出来なくても
今は幸せな気持ちと充実感がある。

『顕正』

背を向けている顕正に
後ろから抱き付いた。

「陽加」

お互い、名前を呼ぶだけで
何も話そうとしない。

事後って、何話してたっけか?

今となっては思い出せない。

結局、そのまま
顕正ん家に泊まった。

一人ずつ風呂に入った後、
事後の気だるさもあり
出前をとった。

「身体、辛くないか?」

優しい奴だよなぁ。

『腰の辺りが
だるい気がするだけで
他は何ともないよ』
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