まだ、愛されてる?
パートタイムの仕事を終え

誰も居ないこの部屋に帰ってきた。


スマホが
光る。

パート先の社員さん。
慰労会と言って仲の良い人達との
飲み会に参加して
仲良くなった人、高崎くん。

「美菜さんって、凄く若くみえますよ。
大きなお子さんいるなんて思えない」

そんな社交辞令でさえ、
嬉しかった。
色んな愚痴をお互いにLINEで
話し
久しぶりに心がときめいた。

「美菜さん!今日って空いてますか?
飲み行きません?あっ!旦那さんに
悪いか?」

私は…。思わず

「全然!平気!行くわ!」

「まじ!やったね!このあいだのお店、
7時で!まってる!」

「は〜い」

バックにスマホを投げ入れ

キッチンで簡単な夕食を作り

クローゼットから
春らしいスカートに薄手のニット。

桜色のピアスを付け
丁寧にお化粧し
フレグランスを付けた。

鏡に映る私は…
恋する乙女。

「馬鹿みたい…。ただの飲み会なのに」

支度を終えて、
バックを手に玄関へ。

その時…。

ガチャ、ドアが開いて

「美菜?どこか行くのか?」

「…。えっ…。あの…飲み会…あなた
遅くなるって…。」

はぁ〜っと大きなため息をつく彼。
そして、低い声で

「飲み会って…。そんな綺麗な姿で?
なぁ?誰に見せるんだよ??」

なんか?怒ってる?
思わず下を向き
「別に…見せるとか…違うから…
私がどこに行こうと別にいいでしょ!
たまには、
一人で好きにやればいいのよ!」

振り払おうとした彼の手が
私を壁側に引き寄せた。
永斗の視線が私を直視する。

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