センターマイクの君へ(仮)
「だろ?!だからー、敬語はなしにしよう!普通に話してくれると嬉しいし。文句もどんどん言ってね、この他人行儀なのもこの話が終わったら辞めだからね!」
ニンジンでルイを指差し、ニコっと微笑みそれとーと続け
「洗濯物はどうする?高校生にもなると男と一緒って嫌になったりしない?」
「え?…洗濯物…」
今までは兄と一緒にしてきた。別に男と一緒が嫌というわけではない…。
「別にイヤじゃないよ」
「でも…なんて言ったらいいのか…」
「え?」
苦笑しながらニンジンを切っていく鳥井。言いたいことがあるのだろうがなかなか言えないようだ
「私からも、提案ですけど…」
「何?」
手を止め顔をあげ、ルイと視線を合わし
「何でも言って…よ」
「え?」
「今日からは、一緒に暮らすんだから言いたいことはちゃんと言って!」
敬語を辞めるのは案外難しい。辞めると決めて、途端に辞めれるものではない。
少し変な敬語に鳥井はクスっと笑った。
「そうだね、ちゃんと言うよ~」
「うん、そうして」