センターマイクの君へ(仮)
男の人が自分の下着を触るのは…なんか、イヤだ…。兄が触ってくるのも考えただけでゾっとする…そう思ってしまうのは、やっぱり相手が男だからで…
けど、それもそのうち慣れるんじゃないか?と、自問自答が広がった。
わざわざ気にしてくれているけど、無言で触られるのはイヤだけどこうして始めから決めてるわけだし…鳥井は悪い人ではない。昔は家族のだってやっていたみたいだし…
「あーっと…」
正直洗濯物が面倒というのが一理ある。学校に行く前に洗って干していかないといけない。何度遅刻しそうになったか…
「…お願いします」
「え?」
「別に気にすることでもないかなーって…。それに、こういうので恥ずかしがっていたらこの先やっていけないし!」
考えたすえ、ルイは答えを出した。
面倒だし、やってもらおう!
「そうだね…。了解!じゃそういうことで」
「うん」
鳥井は微笑むとフライパンを取り出しコンロに置き火をかける。
「あと、俺のことは呼び捨てでいいよ!シノブとか、鳥井とか…サン付け以外で」
今度は呼び名だ…。ルイは言われてみて初めてこの人をまだ名前で呼んでいないことに気が付いた。
シノブって言うのは気が引ける…。兄と同じ呼び方だし、二人でそう呼んでいたらまるで鳥井が召使のように扱われているように思えてしまう。
「うーん…周りの人になんて呼ばれてるの?」
「そうだな…シノブ、シノ、ノブ…鳥井に、トリかな」