センターマイクの君へ(仮)
ルイは呆れた表情を浮かべながらも、もと来た道を戻りキッチンへ立った。兄もルイの後ろを追うように歩きソファーに座る。
「…ルイ、オムライス食べたい」
「はいはい…」
ソファーに寝転がる兄はまるで子供。
スープも欲しいけど、ニンジンは入れるなだとかオムライスの卵はふわふわにしろだとか…ルイは、兄の言葉を適当に返事を返し手際よく料理を始めた。
「あー、ルイ!今日、花火だってさ」
「えー?」
突然のふりに、ルイはフライパンを焦がさないようにと手を止めず聞き返す。
「お祭りだってー!ルイは友達と行かないの?」
「みんな彼氏さんと行くから誘われなかった~」
「へぇ~…、ルイ寂しいね」
全然気持ちのこもってない言葉…。ルイは少し頬を膨らませながらジっと兄を睨んだ。
「うっさい!」
兄はニヤニヤと微笑みごめんと軽く謝った。
「だいたい、お兄ちゃんだって恋人いないじゃんか…仕事、仕事って」
「俺は今は仕事が恋人なの~」
「何それ、意味わかんないし…」