センターマイクの君へ(仮)
歩き続け屋台で食べ物を少し買うと、トリが進むがままについていき石崖に座った。
横をみるとカップルらしき人たちがイチャイチャとくっついている。それを見たルイはまた顔が真っ赤になりすぐに目をそらしトリを見た。
「ん?花火までもうすぐだよ!」
「そ、そっか…」
一体どこを見ればいいんだろう。
隣はカップルだし、トリを見ればなぜか照れてしまう。早く花火が打ちあがればいいのに…そしたら全部切り抜けられるのに…。
悩んでいると、トリの携帯が着信を知らせた。
「はい…、なに?え?ヤダって……何が?」
電話の相手は誰だろう?
少し面倒そうにしゃべるトリ
「知るかよ一人で見とけ!…探せるわけないだろ人多いんだから…」
乱暴な口調になっていくトリを、ルイは不思議そうに見つめた。
それに気づいたトリは、ルイに微笑みかけ口パクで「アイカタ」と伝えてきた。
相方さんか~!なんだ~、女じゃないんだ~!よかった~……えぇ?!よかった?!
何?何私…何がよかったの?
数分して電話が終わると、ため息を付くトリ
「今日バイトなかったんだって…店行って気づいたらしくてさ~!バカだよな、アイツ!ハハハ」
携帯をポケットになおすと辺りを見渡した。
「トリ?」
「…暇だから一緒に花火見ようって言われたんだけど…、無理って言ったら探すっていわれて…」
「ここにいるの知ってるの?」
「祭り行くって言ったからな…」