隣のあなた。

「君と……彼の事は偶然見た秘書から報告を受けていたんだ。二人とも仕事は真面目だったし、評判もいい。だから目をつぶったんだ」


『社長……すみませんでした』

私は頭をさげた。


「別れを切り出したが……なかなか受け入れてくれないってわけかな?」


『……いいえ……別れたんです。けど諦めてくれなくて……。最近、引っ越したんで、引越し先はばれていないので部屋は安心なんです』


「そうか……彼だけが悪いとは言えないが、余りにも過ぎた真似をされるようなら、出るとこ出なきゃならんな」

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