隣のあなた。


黙って聞いていた敦司さんが話し出す


「紗織の事を大事に思ってるなら、何故傷つけたりしたんですか?」
「紗織は、心も身体も……傷だらけです」

「……入院したのは、貴方に犯された時。あの時…貴方の子を流産したんです」


私の手をぎゅっと握りながら
敦司さんは冴島さんを見ていた


「えっ……俺の子供?…」

動揺している冴島さんに敦司さんは続ける
「ええ……貴方は愛する人を傷つけ、愛する子供まで、自分の手で殺したんです」


敦司さんの言葉に冴島さんは頭を抱えていた
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