恋愛ドクター“KJ”
 池袋行きの急行に乗り込んだKJ、アスカ、一也の三人は、例の男女からは近すぎず遠すぎずの位置に席を見つけた。
 場所を替えてもアスカの観察は続く。
 どうしてもKJの鼻を明かしたいらしい。

 男女は、向かって左側に女性、右側に男性が座った。きれいに並んで座っていた。
 その様子を見ていたアスカは、「クスッ」と笑ってしまう。

 「あの二人、何だかそっくりね。
 だって、ほら、二人とも右脇にバックを挟んで、手も同じように身体の前に置いているでしょ。
 それに、足の組み方まで同じ。右足を左足の上に乗せてるし‥‥」

 確かに、男女が取っているポーズは全く同じだった。
 アスカが笑ってしまうのも無理はなかった。

 「じゃあ、二人の関係はどんなか、話してもらえるかな」
 KJは、最初と同じ質問をアスカに投げかけた。
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