獅子王とあやめ姫
部屋はもぬけの殻だった。

「何かあったんでしょうか…あれっ、ロファーロ様!?」

おろおろと部屋の中を歩き回っていたパピアだったが、ロファーロは全く動じず部屋を出ていってしまう。

とととと、とパピアが付いていくと、ロファーロは城の裏門が見える廊下の窓際に立った。

「心配することはない。」

「あっ。」

遥か下に少女2人の姿が見える。

遠目には分かりにくいが裕福な町娘の衣を着ていて、そのうちの1人が門兵に何かを渡して外へ出て行ってしまった。

「あれはイーリス様!街へ出ていっちゃいましたよ~!どうしましょう!?」

(全く、呆れたものだな。)

ロファーロは、ため息をついた。


* * *


衛兵に袖の下を渡して門を通してもらい、2人は城をやすやすと抜け出してしまった。

 「どこへ行かれるんですか?」
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