獅子王とあやめ姫
いたずらを企んでいる子供のように橙色の目をきらきらさせるイゼルベラ。

「えっ…。でもどこへ…?」

「街へ。」

「でもロファーロさんが部屋を出るなって…。」

「あんなの無視無視!それに彼は今ごろおばさまをお相手するのにとーっても忙しいはずだわ。」

イゼルベラは意味ありげに目配せする。

「……。」

沈黙を承諾と受け取ったのか、イゼルベラは軽やかにイーリスの手を引いて軽やかに走り出した。


* * *


「さて……。」

トリーフィアの長話から開放され、ロファーロはくるりと踵を返した。

渡り廊下を渡り、あの小娘がいる西館へ向かう。

階段を上がりきってイーリスがいる部屋の扉が見えてくると、その扉からパピアが血相を変えて出てきた。

「ロファーロ様……!」

「やはりな。」

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