君の隣
決着つけようよ






私は、京へ着いた。





そこで、勝太郎にぃの所へ入る。




なつ「勝にぃ。情報を売って!」




勝太郎「何だよ。藪から棒に。」




なつ「池田屋事件について。」




勝太郎「新選組が、手柄にしたいため、旅館の中には、会津藩などは入れてねぇ。あくまで、『新選組のみでやった。』事だ。」



なつ「じゃあ、稔麿さんは、誰に?」




勝太郎「中に入ったのは、局長の近藤 勇、一番隊助勤、沖田 総司、二番隊助勤、永倉 新八、八番隊助勤、藤堂 平助だ。」





なつ「え?4人!?4人だけで、30人近くの奴らを・・・?」




勝太郎「あぁ。攘夷派も情けねぇよな。」




なつ「でも・・・。どうして!?それで,なぜ新選組は、私達を襲ったの?」




八十八の変政で、兵を出して、会津や薩摩を倒す計画はあったけど・・・。






すると、兄上は信じられない事を言ったのだ。




勝太郎「決まってるだろう?自分達の名を上げるため。」




なつ「え?」



勝太郎「『長州藩が、風の強い日に、御所に火を着けて、天子様を、長州藩にお連れする。という計画を小高 俊太郎から、聞き出した。』とのことだ。」





なつ「そんな計画無いっ!」



そうか・・・。そういうことか・・・。




勝太郎「あいつ等は何も実績がなかった。そろそろ、実績をあげないと、組自体の存続の危機だ。」




なつ「それで、でっち上げ?」




勝太郎「まぁ。枡屋で、武器と血判書が出てきたのは事実だ。」



なつ「それは、なんとなくわかる。多分、進発派の物だと思う。でも・・・。許せない・・・。」




勝太郎「おいおい。お前が動いたら、おかしくなるんじゃねぇのか?」




なつ「私のは、個人的恨み兼決着を着けるって事だから。ありがとう!お兄ぃ。」




勝太郎「行くのか?あいつ等は化け物並みの剣豪ぞろいだぞ!」




なつ「私だってそうなんでしょ?」




勝太郎「あぁ。長州藩、隠密隊隊長兼奇兵隊隠密隊長は化け物だ。」




なつ「何か、気にくわない!化け物になってるし!」





勝太郎「そこかよ!」




私は、勝にぃの所を出て、新選組屯所に行く。






稔麿さん・・・。待ってて。仇は討つ!

















私は、新選組屯所の天井裏に忍び込む。





幹部会議か・・・。








私は、局長近藤勇が座っている真上の天井板を蹴破り、下に飛び降りた。





そして、右手の刀を近藤の首に当てて、左手で持った銃を、幹部達に向けた。





全員「っ!!!」




「何者だ?テメェ!」




凄んだ懐かしい声。



土方さん・・・。





向こうも気付いたようで・・・。




土方・沖田「あ!」




沖田さんも気付いたようだが、すぐに険しい顔になる。





土方「離せよ。女だからといって、許さねぇぞ。」




なつ「お久しぶりですね?土方さん・・・に、沖田さん?」





土方「もう一度、言う!その刀をすぐに・・・っ。」



上に何かいる!





私は天井に向かって、銃を撃った。




パァン。




全員「っ!」



ドサッ。




誰か落ちてきた。




監察方って奴か・・・。確か、名前は・・・。




なつ「監察方の島田・・・?山崎・・・?」




男はピクッと微かに動いた。




なつ「山崎さん?邪魔しないでね?」





私は、山崎という監察方に微笑む。




私は、本題に入る。





なつ「池田屋で吉田 稔麿を殺ったのは、誰?」




沖田「え?何でそれですか?」




なつ「私の大好きだった友人だから、個人的に仇を討ちに来たんです。藩は、関係ない。」




沖田「大好きだった友人・・・。」




土方「けっ。男の為に、一人でこんな所に乗り込んで来たのかよ。」





なつ「いけませんか?しかも・・・。あんたたちの組の存続のためのでっち上げで、稔麿さんや他の仲間が死んだ。」




土方「っ。・・・。お前、何者だ?」




なつ「誰が殺ったか、教えてくれたら、教えてあげる。」




土方「そんなのいちいち覚えていねぇ。それに、名前は知ってても、顔なんて知るか。」




なつ「ふーん・・・。私の予見は・・・。あんただよ?沖田 総司!」




私は、京都守護職の書簡庫に忍び込んで、新選組が書いた、報告書を読んでいた。



それで、わかったのだ。




長州藩邸に、稔麿さんは一度戻って、応援を頼んだが断られた。




そして、槍を持って、戻った。




京都守護職の書簡には、槍を持って戻ってきた、浪士を沖田が斬ったと記されていた。




山崎が苦無(くない)を投げつけてきた。



避けて、沖田さんに、刀で斬りつけた。



カキィン。




なつ「さすが・・・。沖田さん。腕上げましたね。」




沖田「近藤先生に刀を向けたこと許しません!」



なつ「こっちは殺されてる・・・っ。」




他の人達も抜刀して襲いかかってくる。




ガギィン。



土方さんも、私に斬りかかる。




なつ「土方さん・・・。大出世ですね?しかも・・・。その刀、使ってくれてたんだ・・・っ!」






土方「ふっ。お前、この刀の価値を知らねぇで寄越したのか?」



なつ「まさか!あなたたちだから渡したんですっ!土方さんや沖田さんが武士になれるようにって!」



土方「その刀でテメェを斬る!」




なつ「やれるもんならやってみな!」



その時、山崎という男が言った。



山崎「副長!この女、隠密隊かと思われます!動きが・・・っ。」



なかなかやるね。この男。




土方「そうなのか?へぇ。隠密隊といえば、藩の情報が、全て集まると言われてる。ふっ。怒りにまかせて・・・。飛んで火にいる何とやらだな。」



なつ「ふっ。私は、隠密隊隊長兼奇兵隊四番隊隊長です!」




土方さんの目の色が変わった。




獲物をとらえる目。




土方「両隊の隊長か・・・。お前が、全て、情報を持ってる・・・。くくくっ。ついてるな!とっつかまえて、全て吐かせてやる!」



なつ「沖田さんを殺す!あんたに用はない!」



山崎「あの女がそうやったんか・・・。隠密隊の鬼や化け物って聞いてたから、ごっつい男かと思ってたら・・・。」



すると、沖田さんが、



沖田「じゃあ、今、鬼対鬼ですね。ふふふっ。」





土方「総司!そんなところで冗談は良いんだよ!さっさと手伝え!」




さすが、剣豪ぞろいと言われるだけあり、手こずっていた。





埒があかない・・・。





そして、また、沖田さんと、庭で、刃を交えていると・・・。



横から衝動が来た。






ドスン。




なつ「う゛っ。」




マズい・・・。





私は、意識を手放した。




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