都合のわるい女
思えば、あの3年前の4月ーーー
「はじめまして。
あたし、文学部のタカハシっていいます」
初対面の、あの日。
サークルの新歓コンパで
俺たちは出会った。
色白で小づくりな顔、
こぼれ落ちそうなほど大きな瞳、
えくぼと八重歯、
明るく、人懐っこい笑顔。
そして、可愛らしい仕草。
思わず鼻の下を伸ばしてしまったのは、
俺だけではなかったはずだ。
だって、男という生き物は、
美人な女と可愛い女に
弱いものなのである。
それはもう、
自然の摂理としか言いようがない。
「あ、俺、理学部のニシノです」
「じゃ、ニッシーって呼んでいい?」
「おっ、おう」
「ニッシー、これからよろしくね」
………このとき、タカハシの外見の可愛らしさに目が眩んで、
『よろしく』という言葉にどれほどの意味が含まれているのかを深く考えもせずに、
嬉々として大きく頷いてしまったのが、
俺の運の尽きだったのだーーー。
「はじめまして。
あたし、文学部のタカハシっていいます」
初対面の、あの日。
サークルの新歓コンパで
俺たちは出会った。
色白で小づくりな顔、
こぼれ落ちそうなほど大きな瞳、
えくぼと八重歯、
明るく、人懐っこい笑顔。
そして、可愛らしい仕草。
思わず鼻の下を伸ばしてしまったのは、
俺だけではなかったはずだ。
だって、男という生き物は、
美人な女と可愛い女に
弱いものなのである。
それはもう、
自然の摂理としか言いようがない。
「あ、俺、理学部のニシノです」
「じゃ、ニッシーって呼んでいい?」
「おっ、おう」
「ニッシー、これからよろしくね」
………このとき、タカハシの外見の可愛らしさに目が眩んで、
『よろしく』という言葉にどれほどの意味が含まれているのかを深く考えもせずに、
嬉々として大きく頷いてしまったのが、
俺の運の尽きだったのだーーー。