恋する淑女は、会議室で夢を見る

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あくる日の月曜。
KIRITANI本社に社長を向かえて、予定のひと月が経った。

某国の要人との会見もいくつかの重要なプロジェクトも全て滞りなく済ませることが出来たお蔭もあったのだろう。
一か月前は全員集合の会議という緊張感に満ちたスタートを切ったが、最終日の朝は穏やかだ。
ニューヨークに戻ると思われた社長は、これから二週間ほど大阪支店に行くいう。
いずれにしても慌ただしいひと月が、ようやく終わろうとしていた。


出勤した真優は間もなく、瀬波に社長に珈琲をいれるように頼まれた。
社長に真優が珈琲をいれるのは初めての事である。



社長が本社に来たその日の夕方、たまたま1人で廊下を歩いていた社長とすれ違った時に真優は声をかけられた。

『青木真優さんかな?』
『あ、はい』
『大きくなったね~』から始まった話は
桐谷社長と真優は、真優ががまだ小学生の頃会っているのだという懐かしい話だった。

その時の桐谷社長の優しい微笑みを思い浮かべた真優は、せめてものお礼をと、バッグから特別珈琲を取り出した。
今朝ちょうど、いい豆が入ったからとシェフが持たせてくれたのだ。




社長の分と専務の分、二つの珈琲を持って
少し緊張して真優は社長室に入った。

コンコン

「失礼します
 珈琲をお持ちしました」

「はい」

緊張しながら中に入ると
社長と専務は、応接セットのソファーに腰かけていた。


そっと社長の前に珈琲を置くと
「ありがとう」と、社長が言う。

そんなところは親子でそっくりだと内心微笑みながら、
専務の前に珈琲を置き、
「ありがとう」という専務の声を聞いて、真優はチラリと専務を見た。



ドキッ


真優は、慌てて頭をさげてその場を離れた。


「午後から専務室に戻るから」

「あ、はい」

ドキドキ
 ドキドキ


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