恋する淑女は、会議室で夢を見る




真優もマイボトルに入れてきた珈琲を飲んで一息つくと、
早速書類を広げ、パソコンに向かった。



目標は目の前の書類を、午前中に仕上げること。



その気持ちは新入社員に戻ったように
新鮮でやる気に満ちている。



氷室先輩が来年会社を辞めてしまう。

それを知った途端
氷室先輩のいないこの会社が、輝きを失ったただの箱のように思えた。


もし先輩が、あんなにイケメンじゃなかったら?
もし、仕事ができないチャラ男だったら?

もっと冷たい人だったら、
 何か違ったかもしれない?


あれやこれやと考えて
真優の心に、ポツリと残った気持ちは2つだった。


氷室先輩への感謝の気持ちと
切ない恋心。



あと一年。

その間に自分を磨いて
先輩にがっかりされないように、仕事もがんばって、
1年経って先輩が辞める時に
心からの感謝をしよう。

そして
できることなら…

届かなくてもいい
想いを伝えよう。


真優はそう心に決めたのである。
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