恋する淑女は、会議室で夢を見る






「青木さん」

「はい」


振り返ると、
そこにいたのは、桐谷遥人の秘書 瀬波だった。


慌てて真優が立ち上がろうとすると

「いえいえ そのままで
 桐谷が借りたものをお返しにきただけですから」

100円玉が3枚入った小さな透明の袋を真優に見せ

瀬波はその袋を小さな紙袋に入れて、机に置き
礼を言って行ってしまった。




――自販機の珈琲代か


そう思いながら紙袋を覗くと、
カードと小さな包みが入っている。


周りに人目がいないことを確認してカードを開くと
カードの中央には



  300円のお礼と
  パーティで足を掛けてしまったお詫び



と書かれていて

最後に
桐谷 と署名の文字があった。
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