恋する淑女は、会議室で夢を見る



*...*...*...*...*




「青木さん 外国語は?」

「英語とフランス語とイタリア語とスペイン語 ドイツ語
 あとは北京語が少々・・
 ふーん
 語学だ・け・は 真面目にやったんだ」

第一秘書・瀬波の質問に答えようとした真優より早く
真優の履歴書を手にした桐谷新専務が、真優の代わりにそう読み上げた。



―― だけは、って何よ

    確かにそうだけど


掲示板の発表を見てから2時間後、

真優は、桐谷遥人の真新しい専務室にいた。



瀬波にチラリと睨まれながら そしらぬ顔をした桐谷専務は、
片手に持った真優の履歴書を眺め
長い足を組んで、ゆったりとソファーに座っている。


そして 
その向かいのソファーには 
どんよりと暗い雲を背負った真優が
唇を尖らせて居心地悪そうに、
ちょこんと座っていた。
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