恋する淑女は、会議室で夢を見る
*...*...*...*...*
「・・・」
BuBu BuBu
桐谷専務の秘書・瀬波の携帯電話が微かに震え
「ちょっと失礼します」 と、席を立ち
パタン
専務室を出て行った。
「不満なの?」
「別に不満じゃありません…」
ろくに真優の顔も見ず
履歴書を眺めているだけでも、
真優の不満は伝わったようである。
「だけど…」
エヘン
軽く咳をして
どうせだからと、聞きたいことを聞いてみた。
「どうして私が桐谷さん…
いえ桐谷専務の秘書に選ばれたんですか?」
「さあ どうしてだろうね
瀬波が決めたことだから、彼に聞いてみたら?」
「…」
はぁ? はぁ? はぁーー??
何よ!その態度っ
プロジェクトチームの時と
全然っ 違うじゃないっ!
会議中の桐谷遥人は、身を乗り出すようにして
書類だけでなく、相手の目を見つめながらキチンと話を聞いていた。
なのに今、真優の目の前にいる桐谷遥人は
深々とソファーに寄りかかり
長い足を邪魔そうに組んで、
つまらなさそうに履歴書を眺めている。