好き嫌い愛と情。
「んぁー!おわったぁ!」
長い授業が終わり、放課後になった。
私とあいらはバスケ部。
顧問の先生とコーチがいなくってしばらく部活は停止だから思う存分遊べる
「ゆき、うちで恋バナしよっか」
にやにやしないでよ…
「あいらさ、知ってるでしょ?
私恋愛に良い思い出ないし、だいいち好きな人もいないんだってば。」
これは本当。
初恋の相手なんていない
何度か付き合ったことはあったけどみんな2週間もしないうちになんで付き合ってるのかわからなくなって振ってしまった。
「違う違う!
これからの話よ、これからの」
これからが私にあるのか。
未来なんてわかるはずもない
「私よりあいらの話聞きたいから」
なんとか話をそらして、いろんなことを喋っているとあっという間に夕方。
「そろそろ帰らなきゃ」
「あっ、ほんとだー
気をつけて帰りなよ」
「うんっ」
「あ、そうそうゆき
彼氏できたら教えてよね!」
冗談っぽくにやにやしながらあいらは言ったから私も同じような感じで軽く返事をした
そのままあいらの家を出て帰宅する。
空が黒い雲で覆われている
ポツポツと雨が降ってきた
早く帰らなきゃ。
急ぎ足で家へ向かうと
家の前に傘を持った人影
こわい…
通り過ぎようとした時
「…ゆきちゃん?」
名前を呼ばれた