初愛
いつものようにちょこって椅子に座りポッキーを食べていた時、違うクラスのケイに呼び出される。ケイとは小学校の頃から学校が一緒で中学からは離れない日はないほどいっつも一緒にいた。志帆に比べ頭のいいケイはこの学校で不思議と名門校並みのレベルの特進科に入学した。ケイは公立の推薦を蹴ってまでこの学校へ来たのは志帆と離れる学校生活は考えられなかったって前に言っていた…私はそんなケイが大好きだった。

「ケイ〜♪♪」
「相変わらず大切にされてるね;」
「みんな人形扱いなんだもん…志帆人なのにぃ」
「あんたが否定しないからでしょ;」
「だってみんなお菓子とかくれるから♪」
「はぁ……」
「で、ケイどうしたの?」
「どうしたもこうしたもないでしょ!?わかってるくせに…」
「まだ………」
「まだ別れてないの??」
今まで優しい顔をしていたケイの顔が一瞬にして怒りの表情になった。怖くなって目をそらした志帆の手を無言で引っ張り人のいない屋上へと連れて行く。
「ケイ痛いよ〜」
「いいかげんにしなさいよっ!!!あれほど別れなさいって言ったじゃない」
ケイが怒ってるのは今付き合ってる人のこと。
14才年上の会社員と付き合っていたしかも既婚者 。そんなことから知っているのはケイだけだった。私は黙って俯く。
「私は志帆が本気なら応援する…でも寂しさを紛らわしてるだけ。」
「だって彼は抱きしめてくれるから…」
¨パシンッ¨
左の頬に激痛が走る。
「目を覚ましなさいよ!!!そんなことしても幸せになれない傷跡は埋めれない。」
ケイは涙を流しながら辛そうに俯く。
「ケイ……」
志帆もいつの間にか涙がこぼれていた。
ケイはそれに気付いたのか顔を上げ暖かい手で志帆の頬を拭う。
「言いにくいなら私ついていくよ??」
「ケイ〜」
「もう泣かないの。」

それから私たちは別れ午後の授業を受ける…
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