初愛
―次の日
朝学校に着くなり教室の入口の大きなモノが志帆を邪魔する。
恐る恐る上を向くとそれはハヤキだ……
真下から見るハヤキはものすごく迫力があり、思わず大きな声で
「ぎゃあーーー」
びっくりしてハヤキは志帆の口をおさえる。
「お前、命の恩人に対してそれはないだろ…」
ハヤキは冗談そうにつぶやく。
「ごめぬんなはぁい;」
口をおさえられていたため一生懸命声を張り上げて涙目になりながら言う志帆に対してハヤキは大爆笑する…そうしてすぐにハヤキは志帆の口に当てた手を離し志帆を解放する。
「改めてハヤキさんおはようございます。」
ペコッと頭を下げる志帆をハヤキはじーっと見つめる。
「えっとどうかしましたかぁ??」
心配そうな顔でハヤキを見つめる志帆…
ハヤキは急に志帆の腕をつかみ走り出す。
「ハヤキさ〜んっっ」

志帆は戸惑いがあったけど何か嬉しかった…今までにない初めての気持ち。この気持ちはいったいなんなんだろう…
そんなことを考えてる志帆の腕をハヤキは強く強く握り走り続ける。

ねぇ…この時ハヤキは何考えてたの???
ただこの時腕から感じるハヤキの体温はすごくすごく暖かかった。
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