笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
交替で準備をして、一緒に本社に向かう。
受付で支社と名前を告げて、封筒を受け取る。
第一会議室に案内され、席を教えられる。
席は支社毎で、南東北支社は6人のはずが5席しかなかった。
不思議に思っていると、
「あと1人は新入社員代表の誓いの言葉を言うから、前の、本社と同じ席にいるよ。
研修は、こっちに戻ってくるから」
そう同じ支社の男子が教えてくれた。

時間になり、入社式が行われる。
社長の話·取締役の紹介のあと、新入社員代表による誓いの言葉になる。

『それでは、南東北支社·佐々木稜さん、お願いします』

司会者の声にビックリして前を見つめる。

「はい」と言って席を立ち、一礼して中央に向かうのは、つい先日会ったばかりの佐々木稜その人。

社長と対峙し一礼すると、封筒から原稿を出して読みはじめる。
その姿は、とても凛々しく見えた。

彼の挨拶で入社式は終了。
社長や取締役たちは、会議室を出て行った。
そのあと、
「午後は1時から、3つのグループに分かれて研修を行います。
場所は第二会議室·第三会議室·第四会議室になります。
手元の資料で、自分の場所を確認してください。
それでは、いまからお昼休憩になります。
時間に遅れないようにお戻りください」
司会者の声に、会場にホッとした空気が流れた。


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