笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「陽泉。
お昼、一緒に行こう」
隣に座っていた紗英ちゃんに声をかけられ、
「うん」と頷いて立ち上がると、前に座っていた同じ支社になる男子から
「ちょっと待って!」
と、呼び止められた。

紗英ちゃんと2人で振り向くと、
「せっかくだから、一緒に行こう。これから同じ支社で働くんだから」と声をかけられた。

「佐々木にも声をかけてあるから、こっちに来ると思うよ」
その隣の男子がそう言うと、
「悪い、お待たせ!」
と、佐々木くんがやって来た。

「おう!
女の子たちも誘ったから行こうぜ」

その声に、佐々木くんが紗英ちゃんと私を見た。
そして、
「陽泉…?」
と、驚きの声を出す。

紗英ちゃんも、男子たちも、その佐々木くんの声に気づいたようだが、
「腹減ったから、早く行こうぜ!」
と、会議室を出て行く。
私と紗英ちゃんは、後ろをついて行く。

オフィスを出て、すぐ近くのファミレスに入る。
四つ葉スポーツの、ほかの人たちも、何組か見えた。
私たちはみんなで、日替わりのハンバーグランチとドリンクバーを頼んだ。
みんながドリンクを持ってきたところで、とりあえず自己紹介をしようと言うことになり、私たちに声をかけてきた男子からはじまった。
…なんとなく、彼がこのメンバーのまとめ役になりそうだ。
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