笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「…だから、ごめんな。
俺のせいで、ヒナが美咲たちから言われる必要のない悪口を言われて、…嫌な思いをさせてしまって」
「…大丈夫、だよ。
いつまでも祐介の優しさに甘えていた私も悪いんだから…」
「…ヒナは悪くないよ。
全部、俺のせい。
ヒナがいるのに、美咲にフラフラした俺のせい」
「……………」
「…だけど、大丈夫だから。ちゃんと分かったから、誰が大切か…」
「……………」
「…そして、ちゃんと美咲にも伝えるから。俺の正直な気持ちを…」
「……………」
「…だからさ、ヒナ。
もう1度だけ、俺にチャンスをくれないか?
やっぱり俺は、ヒナが好きだ。これから、ヒナのことは守るから…」
「……………」
「………なぁヒナ。おれじゃダメか…?」
「………ダメ、じゃないけど…。本当にいいの…杉原さん?」
「いいんだよ!
俺が好きなのも、俺がそばにいたいのも、俺が守ってやりたいのも、…ヒナ、お前だけだから」
そう言ってギュッと抱きしめられた。
その祐介の腕の中に、すごく安心した。

いつだって、私が辛い時、私が傷ついたとき、1番そばで守ってくれていたのは祐介だった。
私が弱さを見せられるのも、家族以外では祐介だけだ。
信頼出来るのも、祐介だけ。
…だから、彼に裏切られてショックだったんだ。


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