笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
祐介に渡された、私のお泊りセットのバック。
私が何か尋ねる前に、
「…郁海に頼んで届けてもらった。
ちなみに、パジャマに着替えさせたのは青山さんだから。
あとで2人にお礼言っておけよ」
「…分かった。
じゃあ、シャワーお借りします」

そうしてシャワーを浴び着替えてリビングに行くと、テーブルにロールパンとコーンスープが用意してあった。

「ごめんな。こんな物しか準備できなくて」
「いいよ、ありがとう。いただきます」
そう言って、パンをスープにひたして食べはじめた。
私が食べるのを見て、祐介も食べはじめる。
2人で黙々と食べたので、すぐに食べ終わる。
すると祐介が、
「コーヒーいれるよ。
ヒナはカフェオレだっけ?」
と聞くから、
「うん、ありがとう。
じゃあ私は、食器を洗っちゃうね」
そう言って、2人でキッチンに立った。

「なぁヒナ。昨日のことだけど…、話しも大丈夫か?」
2人でまた席に着くと、祐介が気まずそうに切り出した。
「うん…」
私は頷いた。
「そっか…。
話してて、辛くなったら言えよ。すぐに止めるから」
「うん、分かった」

それから祐介は、昨日の居酒屋でのことを、ゆっくりと話してくれた。
…と言っても、祐介は私が意識を失ってから来たので、その前のことは紗英ちゃんから聞いたらしい。

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