笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
言われた高城さんは反論をしようと口を開くが、すぐに祐介に、
「それに、俺と杉浦のことは、高城には関係ないはずだ。もちろん、ヒナのことも関係ないから、余計な口出しはしないで欲しい」と言われる。

続けて祐介が、
「まぁ、俺もそろそろ就活に力を入れるため、サークル活動は辞めるから、杉浦とも高城とも会う機会はなくなるけどな」
そう言うと、
「えっ…?」
「祐介くん、サークル辞めちゃうの?」
2人の驚いた声がした。

もちろん、私もビックリだ。

「あぁ。リーダーの鈴木さんには連絡済だ。もう活動には参加しない」
「じゃあ祐介くん、夏の合宿にも来ないの?」
「あぁ」
「…それって、陽泉さんのため?」
「…いや。ヒナのためじゃなく、自分のため。
俺がヒナにイヤな思いをさせたくないし、ヒナに誤解されたくないから」
「……………」
「…じゃあ、本当に美咲さんとはもう終わりなんですか?」
「…終わりも何も、俺の中では杉浦とは始まってもいないよ」
「その人がいるから、そう言うんですか?
あんなに美咲さんに優しかったのに。
それに、こんな急に祐介先輩がサークルを辞めたら、美咲さんと何かあったと、みんなが勘繰るじゃないですか?
美咲さんが可哀相です」

当の杉浦さんよりも、なぜか高城さんの方が必死だ。

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