笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「言いたい奴には、言わせておけばいいだろう!
俺には関係ない!
サークル内で、俺と杉浦が"付き合ってる"と噂になっているのは知ってる。どうしてそうなったのかは分からないが」
「……………」
「それから今後、ヒナのことを悪く言う噂を聞いたら、俺はお前たちを許さないから」
「……………」
「……………」

「…祐介くん、いつもと違う」
杉浦さんの言葉。
私にとっては、いつもの祐介だけど。
いつでも、私のことを1番に考えてくれる、いつもの祐介だ。

「…そんなに陽泉さんが大事なんだ?」
「…あぁ、そう言っているだろう」
「…そっか、分かった。
陽泉さん。陽泉さんも、祐介くんを大事にしてあげてくださいね。
…私は、祐介くんを諦めます。いろんな方法で祐介くんにアプローチしたけど、やっぱり陽泉さんにわ敵わなかった。
…祐介くん、さよなら。
今までありがとね。
同じ大学だから、また会うこともあると思うけど…私からは声をかけたりしないから」
「……………」
「…くるみちゃん、帰ろう!」

最後にそう言うと、杉浦さんは高城さんを連れて出て行った。
高城さんは、まだ祐介や私には文句を言い足りないみたいだけど。

「ヒナ、ごめんな。たくさん、イヤな思いをさせたな」
「…うん、大丈夫だよ」
祐介と手を繋いで帰りながら、次は私が"ケジメ"をつける番だと思った。



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