笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~

  "契約"解消



杉浦さんたちと話をしたした翌日、紗英ちゃんと一緒にランチに行った。
そして、金曜日の飲み会のことを謝った。
紗英ちゃんは、
「私は大丈夫。小野くんも平山くんも、陽泉の心配はしていたけど、迷惑だなんて思ってないから大丈夫だよ。
…陽泉こそ、大丈夫だった?勝手に吉田さんに連絡して、彼の部屋に陽泉を置いて帰ってきちゃったけど…」
「あっ、うん。
本当にごめんね。祐介にも郁海にも、お礼は言ったよ」
「…そっか。
ねぇ陽泉。言いたくなかったら仕方ないけど、何があったの?
隣にいたのが、吉田さんと一緒の大学だって言うのは分かったけど、それだけじゃないよね?私には言えないこと?私、そんなに信用ないかな?」
紗英ちゃんが、本気で私を心配してくれていることは知ってる。
だから私は、
「…ううん、そんなことないよ。
ちゃんと話すから、時間作って聞いてくれる?」
過去のことも、祐介とのことも、ちゃんと知ってもらおうと思った。
そしてその日の仕事が終わったら、紗英ちゃんの部屋に行くことになった。

オフィスに戻ると田島さんが、
「紗英ちゃ~ん、陽泉ちゃ~ん!今日は3時のおやつにマカロンがあるわよ。佐々木くんからの東京土産。
さぁ、午後も頑張って仕事しましょうね!マカロンが待ってるわよ」
とご機嫌だった。

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