笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~

  気付かない再会

中学·高校と、私は部活でバスケットを続けた。
中学では全国大会のベスト8に、高校でもインターハイとウィンターカップに出場し、最高で準優勝と言う成績を残せた。

私のポジションは、ミニバス時代からずっとガード。
フォワードやセンターに無謀とも思えるパスを出したり、自分でもゴールに向かい強気でドライブに行ったり…県内では『鬼のガード』と呼ばれていたらしい。

高校卒業後は、地元の短大でパソコンを学び、バスケはたまに2人の弟·郁海(イクミ・18)と拓海(タクミ・11)の練習に付き合う程度。その短大も無事に卒業し、4月からは"四つ葉スポーツ"の南東北支社に就職が決まっている。

3月最後の土曜日の今日は、プロバスケの試合を見に来た。
前座で、ミニバス選抜の試合があり、拓海が選ばれたため、郁海と、私の彼の吉田祐輔(ヨシダ ユウスケ・20)と、郁海の彼女の遠藤彩菜(エンドウ アヤナ・18)ちゃんと、彩菜ちゃんのお姉さんの彩乃(アヤノ・22)さんと言うメンバーで拓海の応援に来たのだ。

会場に入ると、コートでの練習が始まっていた。拓海は白いユニフォームを来て、そのコーチ席には、私のミニバス時代のコーチ·田村和茂(タムラ カズシゲ・30)さんがいた。
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