笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
入社式のあと、すぐに陽泉に彼氏が出来た。
俺も何度か会ったことのある人·吉田裕介くん。

お互いに好きだったけど気持ちを伝えられず、友達以上の関係だった人。
やっと両思いと分かり、付き合い始めたばかりの彼女は、俺が大好きなキラキラした笑顔で、彼女にそんな顔をさせる彼に嫉妬もした。
それでも。
陽泉のその笑顔が続けばいいと、彼女が幸せになればいいと思った。

だけど、いつからだろう…
陽泉からキラキラした笑顔が消えたのは。
無理して笑顔を作っていると感じたのは。

その理由(ワケ)が、今、目の前の光景を見て分かった。

陽泉は裕介くんに、自分の他にも親しい女性がいると気づいていたのだ。
それも、陽泉と付き合い始める前から、親しくしていた女性が…


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


同期会のあと、2次会で来たカラオケボックス。
俺たちの正面の部屋が妖しい雰囲気で、酔った勢いで覗き見したのがいけなかった。
そこで見たのは…

「ねぇ裕介くん。
もっと、いつもみたいにして。もっと触れて。
…私、彼女の代わりでもかまわないから…」

そう女の子に迫られて、キスをした裕介くん。



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