笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
それから陽泉は、裕介くんと付き合いはじめてからのことを教えてくれた。
聞いているうちに、彼女の葛藤や不安の正体が見えた。

「…こんなこと、佐々木くんに相談しても迷惑だよね?
ごめんなさい…」
上目遣いに俺を見上げた陽泉。

湯上がりの姿で…
その目線はヤバイよ。
反則だろう!

俺は陽泉から視線を外して、
「陽泉の言いたいことは分かったけどさ。
それでどうして、ナンパしてきた男と、ここに入ろうとしてたんだ」
「……………」
「相手が裕介くんじゃなければ、緊張しないと思った?
誰でもいいなら、俺が相手になるよ」
そう言って陽泉の手を握る。

拒否されるかと思ったけど、逆に陽泉はその手を握り返してきた。
そして小さく呟く。

「…佐々木くんの言う通りだよ。
ヤケになって、相手は誰でもいいと思った」
「……………」
「…でも今は、ここに一緒にいるのが佐々木くんで良かったと思う」

そう言って彼女は、俺の唇に自分の唇を重ねてきた。
不意打ちのキスで、避けることが出来なかった。
俺はしばらく、彼女にされるがままにキスを受け止めた。
触れるだけのキスが、次第に角度を変えて深いキスになっていく。

されるがままはやめた!
俺は舌先で彼女の歯列をなぞり口を開かせると、彼女の舌に絡ませた。

< 65 / 250 >

この作品をシェア

pagetop