さくら


気心が知れた朝倉とのお出かけだから、そんな気合いを入れる必要もないんだけどな・・・・・そんなことを思いながら桜子はリビングに戻る。

ほどなくして達也がリビングにやって来た。

「コテあったか?なかったら将太に持って来させるけど」

「あったよ。けどいいのに。わたしなんか綺麗にセットしてもらってもたかが知れてる」

達也がコテのプラグをコンセントに差し込んで、桜子を椅子に座らせる。

「そんなことあらへん。カリスマなオレ様がするんやから可愛くなるに決まってる」

達也が器用に桜子の髪を幾つかのブロックに分け、クリップで留めて、毛先にコテをあてていく。

「美咲が嫁に来てからはずっとアイツが桜子担当やったからオレが桜子の髪触るの久しぶりやな」

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