さくら


「藤子お母さんちょっと不器用なとこあったから小学校のときは達也さんによく髪の毛くくってもらったよね」

「そうやったなあ」

2人で懐かしく思い出して笑う。

髪の毛からコテが離れると、魔法のようにくるんと毛先がカールする。

「時々編み込み入れたりしてすごく凝った髪型してくれて学校で羨ましがられたよ」

「ほうか。さすがオレやな」

髪を巻き終わると、今度は顔の周りを編み込んでいく。

「どうや?」

鏡を渡されて覗きこむと、今までに見たことがなかった自分。

「すごい!わたしやないみたい・・・・・」

「桜子、口紅もう少し濃いピンクにし。その方が可愛い」

「わかった。ありがとう、達也さん」

ああ、やっぱり年頃の女の子だ。手を入れてやればいくらでも綺麗になる。

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